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執筆者の写真Sign Mania

【JR東海】きっぷ路線図の陣取り合戦を見逃すな!【前編】

更新日:2022年9月25日



鉄道会社によって、路線図のデザインはバラバラです。


これまで、JR東日本、JR北海道の路線図について取り上げてきました。






色々なきっぷうりばの路線図(以後、「きっぷ路線図」と呼びます)を見ていると、面白い気づきがあり、とても楽しいです。それを知っていただけたら嬉しいですね。


今回は、JR東海のきっぷ路線図を取り上げます。テーマは、「陣取り合戦」!


どういうことかは、この記事を読んでいくことで少しずつわかってくると思います。


JR東海のきっぷ路線図といえば、以下のようなものです。会社のカラーであるオレンジ色で路線は描かれています。ただし、路線によって塗分けることはせず、すべてオレンジ色であることが特徴です。

東海道線二川駅

上で紹介したJR東日本やJR北海道のきっぷ路線図は、路線ごとに色が違っていてカラフルでした。しかし、JR東海はオレンジ一筋。他の色は採用していません。


つまり、JR東海のきっぷ路線図はオレンジ1色。路線図すべてをオレンジ色が支配している。そう思っていました…。


しかし、実はそうではありません。オレンジの独占を阻止するため、別の勢力が台頭することもあるのです。その模様をこの記事で紹介していきます。今回が【前編】です。




~目次~


※注意 撮影時期により、運賃が現行とは違うものが含まれている可能性があります。予めご了承ください。




神奈川県ではオレンジが少数派


まずは、どうしてオレンジ一色でないかを説明します。

同じJRでも、JR東海の東側はJR東日本です。両者には当然境目がありますよね。


上の松田駅。ここは神奈川県の駅ですが、立派なJR東海の駅です。御殿場線が国府津駅から伸びています。


境界の近くだと、当然他社(この場合はJR東日本)の路線が近くにあります。そのため、きっぷ路線図もオレンジが少なくなるのです。


松田駅の場合は、JR東日本の路線の方が多く掲載されています。陣取り合戦だと、JR東海が負けているのです。上にも下にもJR東日本が伸びていて、どちらが優勢かは一目瞭然ですね。


こういう路線図を、筆者は陣取り合戦と見立てて眺めているのです。面白いと思いませんか?


他の駅のきっぷ路線図もどんどん見ていきましょう。

JR御殿場線岩波駅

こちらも、御殿場線の岩波駅。終点の国府津駅が近いため、緑が多いですね。また、東海道線は熱海が境界になっているため、熱海の近くの駅も緑が多めです。


JR御殿場線大岡駅

東海道線のきっぷ路線図については、後ほど詳しく紹介します。


場所によって、オレンジと緑の比率は違います。どんな陣取り合戦が繰り広げられるのか、注目してご覧ください。




長野県でも激しい争い


JR東日本による緑色の台頭は、神奈川や静岡だけではありません。長野県にも同じようなケースがあります。


こちらは、JR飯田線の伊那市駅。

JR飯田線伊那市駅

飯田線と言えば、駅数が94もある長い路線です。豊橋からずっと続き、辰野駅でJR東日本に変わります。そのため、辰野駅付近の駅でも陣取り合戦が激しくなっています。


先程とは違い、上にJR東日本、下にJR東海が位置しています。飯田線と中央線でオレンジは分離しているのも特徴です。路線によって、陣取り合戦の模様が変化するのが面白いなと思いました。


補足ですが、すべての駅に上のようなきっぷ路線図が掲載されているわけではありません。自分の路線や近くの路線の駅だけを列挙した、以下のような掲示板っぽい運賃表も存在します。

JR中央線南木曽駅

特に無人駅は掲示板のような運賃表が多いですね。主要路線や、特急が停車する大きな駅ではきっぷ路線図が見れる傾向があります。すべてのケースで当てはまるとは限りませんが。


ですので、大きい駅に下車する際はきっぷ路線図に注目してみるといいかもしれません。




山梨県では挟み撃ち!?


神奈川県や静岡県、長野県の路線図を見てきましたが、山梨県でも面白い陣取り合戦を見ることができます。


まずは、身延線の身延駅。

金手駅から甲府駅のワープがすごいですね笑。


次に、身延線の西富士宮駅。

JR身延線西富士宮駅

だいぶオレンジ色が増えてきましたが、緑色のエリアが2ヶ所あります。身延線の終点である甲府駅からは中央線が伸びていますね。まるで、挟み撃ちにしてオレンジ色の勢力に対抗しているように見えます!

(筆者には、見えました)


JR東海とJR東日本の境界駅が複数あるため、このような構図も見れるわけです。なお、富士駅の方へ進むと、上にある緑色の中央線のエリアが少なくなっていきます。


西富士宮駅では、中央線の駅は9駅。下の入山瀬駅だと5駅に減りました。

JR身延線入山瀬駅

さらに、となりの竪堀駅だと3駅になります。基本的に、当駅から100km以内の駅しか路線図には掲載されないのです(一部例外もあります)。



では、終点の富士駅はどうかというと…

JR身延線・東海道線の富士駅

上の中央線は見えなくなりました…!しかし、終点の甲府駅はギリギリ載っていますね。身延線における陣取り合戦の変化、なかなか面白くありませんか?



静岡県や愛知県での勢力争い


ここからは、東海道線沿線のきっぷ路線図を見ていきます。


JR東海道線三島駅

先程も少し触れましたが、熱海から近い駅はJR東日本の緑色の勢力が多いです。


JR東海道線・御殿場線沼津駅

沼津駅の路線図で面白いのが、伊豆箱根鉄道の駅も載っていることですね。三島から伸びています。青色の第三の勢力が登場です!


ちなみに、三島駅の路線図には載っていませんでした。おそらく、伊豆箱根鉄道独自のきっぷ路線図があるのだと思います。


JR東海道線原駅

熱海から離れるにつれて、緑色のエリアが少しずつ減っていきます。そこに注目しながら、きっぷ路線図をご覧ください。原駅で、横浜駅が見えなくなりました。


JR東海道線吉原駅

根岸線は、ギリギリ本郷台だけが掲載されていますね。


主要路線だからなのか、東海道線ではきっぷ路線図が主流のようです。


JR東海道線蒲原駅

蒲原駅で、JR東日本の根岸線、横須賀線の駅が見えなくなりました。


JR東海道線興津駅

2つ先の興津駅だと、JR相模線も見えなくなりました。どんどん緑色が減っています…!果たして、どこで緑色は見えなくなるのでしょうか…?


JR東海道線静岡駅

静岡で国府津駅がなくなり、御殿場線と東海道線で作られていた円が消滅しました…。


JR東海道線用宗駅

小田原も見えなくなりました。そろそろです…!


JR東海道線六合駅

六合駅で、ついに緑色が完全になくなりました!JR東海によるオレンジの勢力が独占です!笑


用宗駅と六合駅の間で、緑色が見えなくなる瞬間があるようです。機会があったら、間の駅のきっぷ路線図を撮影しに行きたい…笑。


あと、六合駅から飯田線の駅も登場しました。


JR東海道線袋井駅

と思ったら、今御殿場線が見えなくなりました。東海道線の上に「御殿場線」「身延線」「飯田線」の3路線が載っている駅は結構限られるようです。


JR東海道線浜松駅

浜松駅になると、身延線は見えなくなり、東海道線の末端部分が折れ曲がり始めました。今度は武豊線が登場してきましたね。左上がめっちゃ空間が開いています笑。


一番左に注目すると、「名古屋」の文字が…!間の駅は省略されており、100km以上先の駅が掲載されるレアケースです。


JR東海道線二川駅

二川駅からが愛知県です。ここまで来ると、中央本線や関西本線も登場しています!


JR東海道線豊橋駅

そして、豊橋駅です。すっかり複雑な路線図になりましたね。JR東日本の路線が見えなくなったのが、だいぶ前な感じがします笑。


西へ向かうことで、JR東海の独占状態を形成。これで安泰…


ではありません!!


西へ行けば、今度はあの鉄道会社が立ちはだかります。


その模様は後編でお送りします。興味がある方はぜひご覧ください。




【おまけ】まさかの仲間割れ…!?


最後におまけとして、JR東海の路線ではない駅のきっぷ路線図を紹介します。これが、実は面白いんです。


それが、愛知環状鉄道の新豊田駅。


愛知環状鉄道は、東海道線の岡崎駅と中央線の高蔵寺駅を結ぶ路線です。


終点から先はJRの路線が載っているのですが…


愛知環状鉄道新豊田駅

なんと、同じJR東海の路線なのに色が違います!


岡崎乗り換え高蔵寺乗り換えで、運賃が違ってくるためだと思います。オレンジの駅には岡崎乗り換えで、緑の駅には高蔵寺乗り換えで行ったほうが運賃が安いようです。それを明示するために、色を分けていると思われます。


同じ会社の路線が仲間割れして、内部争いが勃発しているような構図に見えました笑。






前編はここまでです。続きは後編に続きます。










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